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- 2025年9月10日
2026年4月に京都府宇治市にて開催されたトレイルフェスト主催のトレイルランニングレース・天ケ瀬1001に参加しました。
160㎞(100マイル)のトレイルランニングに初挑戦した結果、タイムリミットまで10時間を残し、112㎞地点で力尽きました。
1周16㎞を34.5時間で10周するレース
天ヶ瀬100は、1周16キロのトレイルコースからなります。
宇治川中洲の観光地である塔の島をスタート地点として、川を渡り、天ケ瀬ダムの裏山を回り、戻ってくるというコースです。
1周の獲得標高は約600mです。

1周16㎞のコースなので、10周すると160㎞=100マイルとなります。
制限時間は34.5時間であるため、単純に計算すると、1周16㎞を3時間で回れば、休憩や夜間・終盤の遅れを入れて4時間程度のバッファをつくることができます。
私の当初の計画では、10周を大きく3つに分けました。
- 最初の3周ー想定ペース2時間半から3時間:
3時間以下で走り、後半のために貯金を作る - 中盤の3周ー想定ペース3時間半から4時間:
夜間走行を含むため、3時間を超過する - 終盤の3周ー想定ペース3時間半から4時間:
疲労がたまりペースが落ちる - 最終周:気合
1周16㎞の所要時間はコースの難易度にもよりますので、事前にはわかりませんでした。
最初の1周がどうだったかで、その後の展開がほぼわかるという状態でした。
1周目オーバーペース、その後脱水症状発生
1周目2時間15分で完了するが、オーバーペース
朝6時半のスタートとともに、100マイルレースに慣れていると思われる関西人グループについていきました。
会話を横で聞いていたところ、5周目くらいまで2時間半ペースで進めば時間的余裕ができるため、後半落ちてもゴールできる、ということでした。
このグループの速度についていったところ、登り坂でもかなり早く進んだため、長時間、心拍数が160から170で高止まりする状態になりました。
私は発汗量が非常に多い体質であるため、2時間ほど経過し山岳エリアを降りたときには、汗で全身がずぶぬれになっていました。
2時間15分でスタート地点に戻ってきたものの、完全にオーバーペースであり、これで10周耐えられるのか怪しい状態となりました。
「やられた」、「ついていくランナーを間違えた」と思いましたが後の祭りでした。
後から顧みると、完走ペースについていくにはまだ自分の持久力が不足していたといえます。
脱水症状
2周目もまだ涼しかったため、高速ペースを保持し、2時間半ほどでスタート地点に戻ってきました。
ところが、5時間程経過し、午前11時頃になると気温が上昇し、特に直射日光が厳しくなりました。
3周目を走りだしましたが、このあたりから水分補給が発汗量に追いつかなくなり、山を這って登るうちに脱水症状になりました。
- 絶えず吐き気に襲われる
- スポーツドリンク(ポカリスエット)が吐き気で飲めなくなる
- パンや乾物が呑み込めない
- 手足の指、背中、脇腹、首などが絶えず攣る
- めまい
- 高心拍状態が下がらない
3周目、4周目は、どうにか3時間半ほどで通過しましたが、既に精神的には限界が近づいていました。
しかし、距離としてはまだ60㎞あまりです。
これまでに100㎞トレイルランニングを2回完走した経歴があるため、この距離でのリタイアは私の小さなプライドが傷ついてしまう。
また、100㎞未満でのリタイアとなると、「そもそも100マイルにエントリーするな」、「80㎞カテゴリで出ればよかったじゃん」となるので、辞めるに辞められない状態でした。
ということでどうにか全身を痙攣させながら進みました。肩や背中が攣るとなかなか戻らず、貞子のように不自然な姿勢で走るはめになりました。
トイレを発見するたびに水道で全身に水を浴びて、身体の熱を放散させました。
水浴びは大変効果がありました。
ナイトトレイルの後リタイア
夜間の安定状態
4周目の終盤に日没となり、徐々に気温が下がったので、どうにか脱水症状は緩和されました。
指の痙攣は残ったものの、吐き気やめまいは症状は軽くなり、水分もとれるようになりました。
しかし、脱水で負った物理的・精神的ダメージは残ってしまいました。
夜間はヘッドライトを頼りに山道を進むため、どうしてもペースが落ちます。
5周目、6周目は4時間を超過しました。
この時点で完走はあきらめ、せめて9周=144㎞走ることが目標になりました。
途中、自動販売機でレモンスカッシュを買い、一気に飲んだところ、すぐに吐き気が襲ってきてすべて排水溝に嘔吐してしまいました。
脱水症状と胃腸機能の低下したところに、冷たい炭酸を一気飲みするとこうなるということを確認しました。
7周目、日の出とともに終了
先月挑戦したロード24時間走の経験から、極度の眠気が襲ってきた場合はすぐに仮眠するのが効果的ということを学んでいました。
朝方、山道を歩いていると急激な眠気でふらついたため、山の頂上に建っている送電塔の下で20分ほど寝ました。
Tシャツの上にメリノウールシャツを着て、フードで顔全体を覆って土の上に横たわったところ、若干肌寒さは感じましたが短時間睡眠ができました。
7周目の後半、スタートから25、6時間程経過すると、日の出とともにまた厳しい太陽光線が差し込むようになりました。
- 制限時間まで10時間残っており、理論上、まだ2周は可能である
- しかし、日中の脱水症状で既に体が疲労困憊している
- 再び10時間の直射日光に耐えられる自信が無い
- とりあえず7周すれば112㎞になるので、100㎞は超えられたということで自尊心が多少は守られる(100マイルとしては失敗だが)
というような思考過程を経た結果、7周目112㎞を終えたところで、制限時間10時間を残して、26時間弱でリタイア(DNF)しました。
教訓
敗因
初めて挑戦した160㎞は失敗でした。
敗因は以下のとおりです。
- 根本的に完走するためのスピード・持久力が不足していた。
- このため序盤からオーバーペースとなり、脱水症状に陥った。
- 脱水症状防止策が不十分だった。
- 100㎞以降もペースを保持する持久力が不足していた。
- トラブルや苦痛に耐える精神力が無かった。
逆に評価できた点・能力向上を実感できた点は以下です。
- ストック活用:
ランニングには無駄な、格闘技用上半身筋肉を、ストックを使うことで活用し、足への負担を分散させました。
今回は走り終わった後も足の痛みや関節の痛みは発生しませんでした。 - 足裏の強化:
普段ワラーチでジョギングしていたおかげか、以前は中盤以降発生していた足裏の痛みがほぼ解消されました。 - カロリー摂取計画:
先月の24時間走ではカロリー摂取が足りず、ハンガーノックで歩けなくなりました。この教訓を活かし、今回はミックスナッツやパン、ジェル、エナジーバーなどを駆使して1周あたり600kcal以上を摂取するよう心掛けました。このため本格的な枯渇は発生しませんでした。
対策
今回、オーバーペースで突っ込まず、脱水症状にならなければ、9周144㎞はできたのではないかと思います。
ということで、まず最優先対策は脱水対策となります。
- 心拍数管理(140前半以下を維持)
- 30分ごとに塩タブレット摂取
- スポーツドリンクを1時間に500ml基準で摂取
- 直射日光防止(キャップ・サングラス)
- 水浴び・濡れタオル利用
続いて、根本的な走力を上げるために以下の対策を考えました。
100㎞~120㎞までのトレイルは完走経験がありますが、それ以降の距離も安定して走れるようになるためには、やはりその距離に慣れる必要があるとのことです。
- 定期的な24時間走・あるいは100㎞超のトレイル練習
- 週1回のインターバル走(既にやっているが、後回し気味)
今後のトレイルランニング計画
まともにランニングを始めてちょうど1年半くらいになりますが、当初、10㎞ジョギングもしんどいな、と思っていた時代に比べれば、だいぶ持久力・耐久力ともに成長したのではと考えます。
AIによれば、さらに体の運動効率が良くなっていくのは、ランニングを3年から5年継続してからだということです。
走っている途中、私の周りにいた100マイル走者たちの半数は私より年上、あるいは50歳台と思われる方々でした。
山岳ゲリラ戦で長時間移動する事態になったら、生き延びるのはこの人たちで、わたしは途中で倒れていたでしょう。
生存能力を身に着けるには、とにかく継続してトレーニングしなければなりません。
ということで引き続きトレイルランニングやウルトラランニングは継続していかなければ、とモチベーションが向上しました。
今年は以下のレースに出る予定なので、今回の失敗で得られた対策を実践していきます。
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